簿記

仕訳が苦手な人へ:借方・貸方を丸暗記しない考え方

更新日:2026-05-28読了目安:9分

簿記3級で最初に止まりやすいのが仕訳です。借方・貸方という言葉を日常語の意味で考えると混乱するため、まずは左右の名前として割り切るのが近道です。

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この記事の要点

  • 借方は左、貸方は右。日常語の意味では考えない。
  • 資産・費用は増えたら左、負債・純資産・収益は増えたら右。
  • 現金の増減から考えると、取引の向きが見えやすい。

まず現金を見る

現金は資産です。資産が増えたら左、減ったら右に置きます。商品を現金で売ったなら、現金が増えるので左、売上は収益なので右です。

商品を現金で仕入れたなら、仕入は費用なので左、現金は減るので右です。最初は現金の動きから考えると、仕訳の左右が安定します。

掛取引で混乱しない

掛けで売った場合は、すぐに現金を受け取らなくても、あとで代金を受け取る権利が発生します。これが売掛金です。売掛金は資産なので増えたら左です。

掛けで仕入れた場合は、あとで代金を支払う義務が発生します。これが買掛金です。買掛金は負債なので増えたら右です。

復習のやり方

間違えた仕訳は、勘定科目を知らなかったのか、左右を間違えたのか、問題文の読み取りを間違えたのかを分けて記録します。原因を分けるだけで復習効率が上がります。

仕訳は一度に長時間やるより、短時間で毎日触れる方が定着します。総合問題に入る前に、基本仕訳を反射的に処理できる状態を作りましょう。

仕訳は「日本語を会計の形に翻訳する作業」

仕訳が苦手な人は、問題文を読んだ瞬間に借方・貸方を当てようとしがちです。しかし、先に考えるべきなのは「何が増えたか」「何が減ったか」「会社にとって収益なのか費用なのか」です。仕訳は暗号ではなく、取引を会計の形式へ翻訳する作業です。

たとえば「商品を現金で売り上げた」という文では、現金という資産が増え、売上という収益が発生します。ここまで分かれば、あとは増減のルールに従って左右に置くだけです。

著者の経験:勘定科目より先に「会社目線」を作る

初学者の頃は、問題文の言葉に引っ張られて仕訳を間違えやすいです。「支払った」「受け取った」「掛けとした」などの表現を見たら、必ず会社の立場で考える必要があります。相手の立場ではなく、問題文の会社の帳簿に何が起きたかを見るのがコツです。

特に売掛金と買掛金は混同しやすい論点です。商品を売って代金を後でもらうなら売掛金、商品を買って代金を後で払うなら買掛金です。言葉の暗記より、取引の向きを読む方が大切です。

仕訳を切るときの3ステップ

  1. 登場する勘定科目を探す:現金、売掛金、買掛金、売上、仕入など。
  2. それぞれが増えたか減ったかを判断する:資産・負債・収益・費用の増減を確認。
  3. 借方・貸方に置く:左右の形式に当てはめる。

この順番を飛ばして、いきなり答えの形を探すと応用問題で崩れます。

具体例で見る

「商品10,000円を仕入れ、代金は掛けとした」場合、会社は商品を仕入れたため仕入という費用が発生します。一方で、代金をまだ払っていないため買掛金という負債が増えます。つまり、仕入を借方、買掛金を貸方に置く流れになります。

このように、取引を言葉で説明できる状態にしてから仕訳を書くと、丸暗記よりも忘れにくくなります。

さらに実践的に読む:仕訳が苦手な人へ:借方・貸方を丸暗記しない考え方を点数につなげる視点

簿記の記事を読むときは、「理解した気がする」で止めず、必ず短い取引に置き換えて確認することが大切です。簿記3級は知識問題というより、取引を読み、仕訳に直し、集計し、決算の形へ整える試験です。したがって、文章の理解と手を動かす練習をセットにする必要があります。

たとえば、現金で商品を売った、掛けで商品を仕入れた、備品を購入した、保険料を前払いした、売掛金が貸し倒れた、という取引を見たときに、どの勘定科目が増減するかを説明できるか確認してください。説明できない場合は、仕訳の形だけを覚えている可能性があります。

本番では、ひとつの取引で迷いすぎると後半の大きな問題に時間を残せません。苦手な仕訳を完璧にするより、頻出の型を素早く処理できる状態にする方が点数は安定します。特にネット試験では画面入力も含めた時間配分が必要です。

確認する力具体的な確認方法できていない時の症状
取引を読む力問題文を「何が増えたか・減ったか」に分解する勘定科目を見ても左右が決まらない
集計する力仕訳が試算表や精算表にどう流れるかを見る個別仕訳はできるが大問で止まる
決算で直す力期末に正しい残高へ修正する意味を考える決算整理仕訳を丸暗記して忘れる

復習では、間違えた問題の答えを書き写すだけでは不十分です。「なぜその勘定科目なのか」「なぜ借方なのか」「相手科目は何を表しているのか」を一言で残すと、次に似た問題を見たときに判断しやすくなります。

よくある質問:仕訳が苦手な人へ:借方・貸方を丸暗記しない考え方を読む前後で確認したいこと

Q. 仕訳を全部覚えれば合格できますか?
仕訳は重要ですが、全部を丸暗記するだけでは不十分です。取引を読んで、どの勘定科目が増減したのかを判断できる状態にする必要があります。試算表や決算整理では、仕訳が集計される流れまで問われます。
Q. ネット試験では紙の問題集だけで大丈夫ですか?
基礎理解には紙の問題集でも役立ちます。ただし本番は画面で解くため、時間配分と入力の感覚に慣れておくと安心です。60分の中で解ける問題から進める練習も必要です。
Q. 決算整理はいつから始めるべきですか?
基本仕訳を一通り学んだら、早めに少しずつ触れるのがおすすめです。直前にまとめて覚えようとすると、売上原価、減価償却、貸倒引当金、経過勘定が一気に重く感じます。
Q. 勉強時間が少ない場合はどこを優先しますか?
基本仕訳、試算表、決算整理を優先します。細かい論点を広げるより、頻出の型を確実に処理できるようにした方が得点につながりやすいです。
Q. 間違えた問題はどう復習しますか?
答えを書き写すだけではなく、「どの勘定科目を選べなかったのか」「借方・貸方をなぜ間違えたのか」「問題文のどの表現を読み落としたのか」を残すと、次に似た問題を解いたときに改善しやすくなります。

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参考にした公式情報

確認日:2026-05-28